感性価値という未来
感性、というキーワードを軸にした産業の新しい展開可能性が見えつつあります。
感性とは、まず何か?そこからはじめると長くなりますので、人がモノやコトを感じること、といったくらいのアバウトに捕らえておきます。(辞書を意訳すると、外部からのインプットを得て心が感じることをさしているようです。なお、外部の刺激を認知することと同一に考えられがちだけれども、認知してそれから、感じる、という作業になるようです。ある種の障害をおった人の事例では、見て存在を理解するけれども感性的な感情変化がない、ということがあるそうです。)
経済産業省が、第四の価値軸の提案を行う『感性価値創造イニシアチブ』を策定しています。
METIサイトから引用します。
『検討内容を「感性価値創造イニシアティブ」として取りまとめ、2010年度までを「感性価値創造イヤー」と定め、感性価値創造の実現に向けた施策を重点的に行います。』
とのことです。
第四の価値軸とは、感性価値、と表現されています。それについて引用します。『我が国が引き続き、暮らしぶりを向上させ、活力のある発展を遂げるためには、従来のものづくりの価値軸(性能、信頼性、価格)に加え、新たな着眼点からの価値創造』『生活者の感性に働きかけ共感・感動を得ることで顕在化する商品・サービスの価値を高める重要な要素を、「感性価値」』
具体的な取り組みの方向性としてはいかが示されています。
「感性価値創造活動の支援・事業環境の整備」
「感性価値実現のための経営学的方法論・人間工学的研究の推進」
「感性価値を生み出す人材の育成・発掘」
「感性を育む感性教育の強化」
感性価値創造イニシアティブのページには各種の資料があります。
上記のプレスリリース、
それから概要が直ぐに分かる資料(ここにはなぜ感知価値か、や、感性価値に優れた企業の共通点、中小企業の取るべき方策、などが示されています。)
事例集(ここには47の事例が載っています。見るだけでも楽しい資料です。この事例リストは示唆に富みます。)
注目される産業動向において、従来の強くて大きくて中央局在方の構造から、小さくて繊細で偏在する感性の活動へ、駆動力やトレンドが生まれる可能性がありそうです。
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仙台には地方都市にしては、クリエイティブな動きが離散継続的に見られています。次の産業のけん引役になる可能性は、そうしたところにも潜んでいるのかもしれません。多様な価値感に目を向けていきたいと思います。