専門誌に掲載されました
産学連携の専門誌「UNITTj」から依頼を受けて寄稿文を以前、書いたのですが、それが掲載されました。
![]()
UNITTj(たぶん、No.3、です)
A4一枚くらいで、なぜ今の仕事「事業化の支援者」という仕事をしているのか、についてを書きました。
![]()
私の仕事は既存の仕事に比べて、非定形であり、かつ分野を超えて仕事します。そうした私の仕事を知っていただくために、その掲載文章の元原稿をここに掲載しておきます。(注:掲載文章は、編集サイドで多少編集していただいているかもしれません)
この仕事を選んだ理由(なぜ事業化コーディネータになったか)
私は以前、大手電機メーカ系の商社で法人営業に従事していました。私の担当していたプラント向け制御用装置の市場は、国内工場の空洞化という時期で、市場は縮みゆくパイを争ってライバル企業と苛烈な競争をしていました。一方で、これからの経済の主役になりうる新産業の芽を探していました。ある時、元科学技術政策担当大臣の尾身幸次先生の講演を聞く機会に恵まれました。私は尾身先生の「科学技術で日本を創る」という考え方に、ドキドキするほどの感銘を受け、それが大きな転機となりました。懇親会で、尾身先生にいただいた名刺は、今も強く私の背中を押してくれています。
その一年後、商社を退職し、東北大の大学院に入学して、二年間、MOT(技術経営)の研究をしました。ハイテクベンチャー論、産学連携論、ロードマップや産業分析など、非常に刺激に満ちたことを教えていただきました。世界レベルで産業に何が起こっているのか、長期的な展望で社会がどういう局面を迎えているのか、私の知りたいことがそこにはたくさんあり、二年間、貪欲に吸収しました。そして私は、社会に新しい価値を作る仕事をして生きていくことを決めました。世界中から尊敬される企業が次々と輩出される社会を20年かけて作ろう、と。
現在の仕事
東北大の周辺地域には、大学発ベンチャーがたくさんあります。特に起業家を生み出すための人材と志の結節点のようなベンチャー「株式会社デュナミス」があります。私は今、同社に受け入れてもらい、起業家支援・事業化支援の活動に従事しています。
相談に来た起業家チームの一員の視点になって、彼らの事業成長に必要なことをアドバイスし、大学や企業との連携をサポートします。若手研究者からの起業相談の場合は、シーズを元に事業アイデアを一緒に作り、事業構想をお手伝いします。また、TRIZ(トゥリーズ)という技術開発の理論を地域企業の方々と一緒に学ぶ活動を展開し、地域企業の企画力の向上に取り組んでいます。ベンチャー企業・地域企業に成長の軌道を力強く駆け上がってもらうため、産学連携を中心に、情熱を持って多様な支援活動を行っています。