【研究テーマ】創造力を引き出すプロセス及びツールに関する研究
2008年8月8日、本日、研究計画書を作成して、大学院に提出しました。研究というのは非公開で進めるのが常ですが、私の場合はいつも公開型。隠すよりも誰か興味持ってくれる人と一緒にしたほうが楽しいですから。公開することで誰かが先にそれをやってしまえば、それはそれで、社会の発展にはいいことですし。というわけで公開します。(でも、これを見て興味を持った方がいらしたら、一緒に研究しませんか?お互い、刺激的なディスカッションができると思うんです、きっと)
大学院に復学することができるのかは、編入試験次第。もしかしたら、戻れない可能性だってあるので、その時はかっこ悪いですが、公表することで、自らあとに引けなくしてみます(笑)。
自画自賛かもしれませんが、自分のしている研究は面白い研究だなぁと思います。面白いことが大好きな私が、大幅に時間を割いてまで復学しようときめたことですから、おもしろさは公言してはばかりません。社会人と博士課程の両立の日々は今に輪をかけて刺激ある日々になるでしょう。
研究計画書(抜粋)
●研究テーマ
創造力を引き出すプロセス及びツールに関する研究
●背景・動機
省略
●本研究の目的
1.CPS(創造的問題解決)の本質的プロセスを基本的な視座として、創造的アイデアの創出を通してビジネスマンが個人・チームの創造力を引き出すことについて理論を構築する。
2.構築した理論に基づいた実践的な「創造のプロセス」とそれを補助する「創造性育成ツール」の基本要件を確立する。
●先行研究と本研究の位置づけ
省略
●研究内容と方法
イノベーションの現場で働くビジネスマンにとって有効性の高い具体的な「創造のプロセス」を確立する目的のために、以下の内容を研究していきたい。
①先行研究レビュー:「創造のプロセス」についてCPSより知見を得る。また、個人・チームでのアイデア創出の活動の評価方法について、先行研究のレビューを行う。
②理論研究:CPSの知見より、アイデア創出の体験を通してビジネスマンが創造能力を引き出す過程について理論を構築するとともに創造活動モデルの構築を行う。また検証的研修における個人・チームでのアイデア創出の活動方法を確立する。
③研修手法研究:「創造のプロセス」モデルに基づいて創造力研修を作成し、検証的研修を行う。検証的研修を、研修時の行動観察や参加者の発案を記録したアイデアシートやアンケートから分析し、創造力研修モデルの有効性を確認する。「創造のプロセス」を補助する「創造性育成ツール」の基本要件モデルに基づいたツールを作成し、検証的研修を行い、同様に有効性を確認する。
④研究のまとめ:CPSなどの学問的裏付けに基づいた、アイデア創出の体験を通して個人・チームでのアイデア創出の能力を育てる「創造のプロセス」およびそれを補助する「創造性教育ツール」を提案する。
●期待される成果
本研究を通じて、多くのビジネスマンに、創造の手順を提供することで、企業の現場からイノベーションが推進され企業の高付加価値な事業創造が実現されることが期待される。
補足1:CPS
Creative Problem Solving(創造的問題解決)
ブレインストーミング(代表的な創造技法の一つ)をつくったアレックス・オズボーンは、そのほかにも創造技法をつくり、CPSインスティチュートを設立し、各種の創造技法を残した。現在は、ニューヨーク州立大学バッファローカレッジ校に、そのセンターがあり、創造的に問題を解決するエキスパートを要請するコースとして、運営されている。日本では、創造学会副理事の弓野教授らが、CPSのテキストブックを翻訳し「創造的問題解決」「ファシリテータ」の2分冊として、近年日本に紹介している。汎用性が高く、発散思考・収束思考の技法が効果的に整備されており、創造支援において非常に有効性が高いと期待されている。創造の対象は、企業の課題から日常生活にいたるまで、非常に広い。
補足2:TRIZ(トゥリーズ)
セオーリア・リシェーニャ・イズブレタチェルスキフ・ザダーチェ(ロシア語:発明的・問題・解決・理論)の頭文字をアルファベットで表記したもの。旧ソビエトの特許審査官であったアルトシュラーは、冷戦下の東西の特許を広範に調査していた。自身も発明家である同氏は、多様な特許の中に「技術分野や技術の性格は違えど、技術的な解決のエッセンスには、時折、似た構造が見られる」と気が付き、世界中から優れた特許40万件をあつめ、そこから技術的ブレークスルーのパターン集などを抽出した。冷戦終結後、人材が欧米にわたり、日本へは90年代の後半に伝えられた。日本国内では、総合電機メーカなど大手企業を中心に導入された。近年では、中小企業への普及も増えている。改善から新製品開発まで、技術的な創造活動に有効だとして、期待されている。
参考文献
文献1:日本創造学会WEBサイト
創造技法の分類とその種類 http://wwwsoc.nii.ac.jp/jcs2/bunrui.html
Blair Miller, Jonathan Vehar, Roger Firestien, (2004) CREATIVITY UNBOUND (弓野憲一・南学・西浦和樹・宗吉秀樹(2006)『創造的問題解決 なぜ問題が解決できないのか?』北大路氏書房)
以下の文献、省略