挙手をしてもらうのに、ためしてみて良いと思った方法
少し前のことですが、最近の気付きをかきます。講義や講演で、3択などで挙手してもらうときがあります。そうすると、どれにも手を挙げていない人がたくさんいる、なんてことが結構見られます。大学院の講義などでは特にそうでした。選択肢の設計があまくて上げにくい、ということも可能性としてはあるのですが、それ以外のケースでは「受講生には、手を上げない権利がある」という前提を講師側が軽視していることがあるとおもいます。
おおく受講者は善良ですが、他の受講者を善良であるとは確信しているわけではないので、コールドな会場で挙手を依頼すると、手が上がりにくい、ということがおこります。
最近、ためしてみて良いと思った方法は、
「いまから、みなさんのことを知りたいので調査をさせてください。次の質問(スライドを指し示す)をしますが、この調査に協力していただける方は、何人位いらっしゃいますか?恐縮ですが挙手をお願いします」
と投げかけます。すると、さっと揚げる人もいれば、おずおずとあげる方もいらっしゃいます。質問内容が比較的妥当なものであれば、5秒くらいで全員が手を挙げて下さいます。
この方法で行った場合、回答率は参加者総数と近くなります。
私は、おずおずと、あげられる方に注目しました。彼らは他の人の手が上がることを確認してから、3秒後から5秒後にかけて挙手をされました。たとえば、この確認作業で「皆が手を挙げる意志がある」を可視化しないで、はじめると、おずおずとした人は、その上げたい意見が少数派だった場合に、挙手しにくくなります。また、質問の最初の問いで挙手者が少ない場合に「皆は手を挙げる意志がないかもしれない」という可能性がふくまれはじめます。おずおずとした方には、影響をあたえる可能性があります。