アイデアの技法 速記メモ
速記メモ、という比較的時間的余裕があるときにアイデアの引き出しをたくさん作るための作業をご紹介します。技法というよりもコツ、といった趣です。
セミナーや講義に出席します。その会場で話されていることをひたすら追いつく限りのスピードでメモをしていきます。私ははじめは手書きでやっていたのですが、キーボードのタイピングのほうが速度で勝るようになったので今はPCをつかって、速記メモを取っています。(余談ですが、こうすると眠くならないんです。話の構成がさかのぼれるので、よく分かるようになりますから。また疑問に思ったことを、前後の話の間に「メモ」しておけるので、後で質問のするときにも、役に立ちます。また隣の人に「メールで送ってくれませんか」といわれてお送りしたら、なんとコシヒカリを頂いたことも。←これは超レアケースでしょうけれど。)
聞きながら理解して、言葉を全部ではなく文意をだだだだっとメモします。およそ人間が講演でしゃべるときには10秒間で3文くらいから構成される一連のセリフをしゃべります。1つの文章は、5W1Hなどを中心におよそ2~6程度の単語を含んでいます。なので、10秒間に出てくる単語は、6~18くらい。重複をのぞいてそのセリフで中心的な単語で短文を再構成するならば、10秒間でおよそ5つの単語をつなげて短文にしてメモしていくような感じです。聞き取れないところは悩まずに「***」と書いて、次へ。
不思議なことにこうしてメモを書き取っていくと、別の用途への転用を思いついたり、逆に言えばこんなことがいえるかも、とふと思うときがあります。それをすかさずメモします。ちなみに私は、アイデアをそのまま、速記メモの中に速度を落とさずに書き込みます。「★、」という形で、講師がしゃべったこととは違うよ、という自分へのしるしにします。
なぜこうすることでアイデアが生まれるのかは、今のところよく分かりません。ですが、何もメモを取らないで腕組みして聞いているときに比べて思いつくことが何倍も多いようなのです。速記メモを取ることで、頭を非常に早く回転させるので創造性も引き出されるのかもしれません。また普通の聞いた情報は言葉をそのまま覚えるのではなくその話の趣旨を入れていきます。ある程度の抽象化のプロセスをリアルタイムでして行くような感じでしょうか。それが、速記メモではかなり明確に相手の発信した情報を受け取ることになります。以前書きましたがある種、具体性は創造性を高めるのに効果があるようだ、ということに関係するのかもしれません。
このアイデアの技法は、試すのが簡単ではないかもしれないですが、せっかく講演を聴くならばこういう副次的な効果も得ながらメモを取ってみるのもなかなか面白いかもしれません。