アイデアリストと企画書の違い(発散と収束)
アイデア、ということを対象にディスカッションしていると、アイデアとプラン(企画)を混同してしまうときがあります。アイデアは、着想、と呼ばれるように、はっと面白い切り口を思いついたその「着想」です。それに対してニュービジネス、ニューサービスを提案する企画書は『抜群のタイトル』『5W1H』が備わっていて、『時間とお金さえあれば実現できる計画』といった要件を備えています。
アイデアプラントは今のところ、前者であるアイデア、すなわち新しい着想や面白い切り口といった『!』をたくさん出すサービスです。ジャストアイデア。それをどう具体的なプランにするかは、別です。30個の『!』は、30個のプランを生み出す元になる可能性がありますが、30個の『!』を統合してもプランにはなりません。
ただ、さまざまな依頼の中には、ビジネスプラン的な要素を考慮して○○書(企画書、営業提案書)を製作する案件もあります。これらは、企画書を作る仕事であり、アイデア出しとは、フェーズを分けて行うことが重要だと考えています。(なお、こうした案件の場合は、案件ごとにアイデアプラントの内外から、少人数のメンバーを公募してチームを構成し案件を進めています。)
アイデア出しは『発散』の過程であり、企画化(プランにまとめる)は『収束』の過程です。話し合いの展開の前提そのものが違う、ということをまず全員が理解して対応する必要があります。(くらたまなぶ氏のセミナーでお聞きした中では、前者を「夢モード」後者を「金モード」とおっしゃっていました。)
ここまでアイデア出しの代行サービス「アイデアプラント」を運営してきて多様なご依頼がありましたが、ジャストアイデアをほしいクライアントは、研究開発のフェーズにあることが多いように感じます。あるいは、新規性の高い商品開発でも、そうした傾向があるように感じます。こういうタイプの依頼では、かえってビジネスプラン的な考慮をしないで出すほうが歓迎されます。一方で事業開発や用途開発の場合は、ビジネスプラン的な考慮をくわえて1つもしくは2,3個のプラン(概要レベル)を製作することが望まれる傾向があるように感じます。こうした部分の違いをクライアントさんとのコンタクトの早い段階で明確にして「仕事の要件を定義する」ことがアイデア出し関連の事業においては重要なのかもしれません。