「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない」
昨日ご紹介した『考具』のP25ページに書かれているアイデアの定義です。ジャック・フォスター(『アイデアのヒント』著者)らの採用する定義を、考具の著者、加藤氏も採用しています。その定義に続けて次のような文章が述べれています。
「ゼロから生まれるアイデアは存在しない …中略…。どれほど素晴らしいアイデアであっても、その発想の素になったアイデアがある。わたしはこの考え方に出会ってから、とても気が楽になりました。宙(ちゅう)から取り出さなくても、十分に新しいアイデアは生まれる!」(『考具』P26)
…大変素晴らしい定義!だと、思いました。まず感じたのは、シュンペーターのイノベーション(経営革新・技術革新)の定義では、イノベーションの本質が既存のモノとモノの新しい組み合わせ(新結合)だと、述べていたことでした。アイデアとイノベーションは部分的な近似性があるため、その定義の本質が『既存+既存⇒新しい』であることに、しばし感心しました。
もちろん、アイデアの定義がこれに限定されるわけではなく、さまざまな人がさまざまな定義をなされていると思うのですが、私はこの定義を基本にすえて、アイデア出しという行為を気負うことなく、のびのびと進めていくことが大変好きです。アイデア出しは、そんなに難しいことではない、でも何が生まれるかは、そこに参加する人がもつ創造性によってバラエティーや味わいが出てくる。そんなことを、私なりの「アイデアの哲学」として大切にもってゆきたいと考えています。