着目の仕方、新しくする仕方
アイデア発想のトリガーセットというものが、世の中にはたくさんあります。代表的な本格的なセットとしては、次の2つがあげられます。
1.ビジネス向けではSCAMPER(48の問いかけリスト、簡易版であるオズボーンのチェックリスト)
2.技術向けではTRIZの発明原理(その大幅な意訳版として智慧カードもつくりました)やUSITのUSITオペーレーター
等があります。
これらは、さらに共通性を勘案して本質的な骨組みにしていくと、「着目の仕方」と「新しくする仕方」の2つがあることに気がつきます。
具体的に書きますと次のようなものになります。
『着目の仕方』
・ヒト
・モノ
・時間・空間
・価値・意味
・視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚
・働き・役割
(これは、以前に書いた5観点モデルのベースとなるものです)
『新しくする仕方』
・増やす(激、微)
・減らす(激、微)
・倍にする
・簡素化する
・合わせる
・組みなおす、入れ替える
・別へ(似たもの、異なるもの)
・0→1
・多様化
・密度・頻度を変える
アイデアを引き出そうとしたら、「着目したもの」について「変えてみる(新しくする)」、その上でそれは意味をなすだろうか、という解を探索をすることが、アイデアをぐるぐるっと考えてみる作業のようです。
これを掛け算したマトリックスに、具体的な発想トリガーがはいりますが、たとえば、ビジネスアイデア、技術アイデア以外の分野でも、これらのマトリックスを埋めるように、「1.発想トリガー候補を列挙」して、「2.マトリックスのセルへ整理」していくと、「3.その分野特有の発想トリガーセットができます」
たとえば、「新しいアトラクションのアイデアを出す」とか「組織活性化のためのアイデアを出す」とか「地場産品をつかって新しい商品・サービスを生み出す」といった場合には、先の「着目の仕方」×「新しくする仕方」というグランドマトリックスに、優れた事例群を放り込んでいくと、自然と、発想トリガーセットができあがります。(言うのは簡単ですが、集めて、シンプル化して、セルへ放り込んで、発想トリガーとしての機能性をかんがみてフレーズ化する、というのは、かなり大変な作業ではあります。ただ原理的には、このステップをたどれば、大体は出来ます)