厳密に重複しないコンセプトを複雑な概念で定義するより、多少重複しても発想を引き出すような概念で解空間を埋め尽くす
先日、ある方に、智慧カードがどういう意味合いを持つのかを
ご説明する機会がありました。すこし書き換えて転載します。
いずれ創造工学のペーパーを書くときには正しい調べを記載したいと思います、
現時点でわかっていることを、記しておきます。
…
ちなみに、彼らは、2時間で100近いアイデアを出し
その中から、優秀なコンセプトにつながりそうな
アイデアが3つ見つけました。
一方、そのアイデア出しが終わった後にやってきた、
その現場の統括者は、
“2時間でそのアイデアを出せるなら、
もっと前からだせたんじゃないか”
といいましたが。
# ここから、創造の力の特性・仕組み、に関する話です。
実は、そうなんです。
彼らが、特別に優秀なグループだったわけでありません。
本来、人間には創造の力があります。
現場に長い時間いれば、もやもやっと
「う~ん、何かいいやり方ありそうだけど・・・」
と感じることがあります。
創造力が形や言葉を持たない状態で、ふんわりと、ある感じ。
多くの人は、その時に
“どうすればいいかわからないけれど、
何かをもっとうまいやり方がありそうな気がする”
という感じを持って、そこで、終わりにしています
一方、新製品や新事業を創造する人たちは、
その思いを具現化してアイデアの断片を
ひたすら考えて出します。
アイデアの断片を組み合わせ、
試作・トライ&軌道修正をして、
次第に、スターアイデアへ成長させていきます。
智慧カード(の根底にあるTRIZ)は、
およそ、機械もの具現化アイデアのやり方を網羅しています。
(TRIZはもともと、ブレークスルーの構造を収集したもので
エッセンスをパターンへ分類したわけですから)
TRIZの深い研究者の本によると
”TRIZの40パターンは、
解の概念上、重複があるけれど
解の空間を埋め尽くしている。
それが大事である。”
とのことです。
厳密に重複しないコンセプトを複雑な概念で定義するより
多少重複しても発想を引き出すような概念で解空間を埋め尽くす。
そういう構造をしています。
なので、シンプル化した智慧カードも、
全部をさらっていくと 彼らの頭の中にある解空間をすばやく
全領域検索することになります。
それが、彼らがもともと、もやっと感じていた、
水面下にあった創造が、智慧カードの切り口を借りて、
アイデアとして言葉になった、という感じです。
智慧カード自体が、アイデアなのではなくて、
頭の中に広がる解空間の全領域を40分割して
それぞれに、明確化するヨリシロみたいなものを与えています。
# 極端な例ですが『100にいる社員の姓を
何も見ないで、全部あげろ、と
言われたら、1時間で、もれなく、
全員分、書き出せますか?』
という問題に似ています。
私もそうですが、できない人は多いでしょう。
組織には、印象の薄い人が常に2割いますから。
このときに、
「あ、で始まる名前を挙げよう。青木、赤城、・・・」
「では、つぎは、い、だ。石井、岩澤・・・」
この方法だと、
あ、で1分、い、で1分、…わ、で1分となって
50分で、ほぼ、全員の名前を挙げられます。
ひとりでは無理、そいう人でも3人でなら、
確実に挙げられます。
智慧カードは、青木、赤城、ではなく
「あ」「い」・・・「わ」に相当するものです。
人間の発想の力は、”解”なり対象物なりの全領域を、
くまなく検索しない。なぜかは、わかりません。
誰かのアイデアを聞いて「あ、その発想はなかったわ」と
言います。
ただしくは、なかった、ではなく、思いつかなかった、です。
いわれたときに、「あっそうか!」というのは
なかったのではない。あったけれど出てこなかった、
という状態です。
誰かの出したその切り口、場合によっては
昔、3年前の自分が、よくやっていたような
発想の切り口だったりもします。
知っていたならその切り口を使えばよかった。
でも思いつかない。不思議なものですがそういう構造。
発想のうまい人は、全領域を高速にランダム検索しています。
で、多面的なアイデアを出します。
(「あ」「い」・・・「わ」なのかどうかわかりませんが
観点を多面的に広げる発想の強制広域化スキルがあるんです)
そういう力がない人だって多い。
解の全領域を網羅的に検索するのを補助するのが、
智慧カードであるとおもっています。
なお、ブレスターに入っているTOIカード(50枚の薄緑のカード)も
同じく、全領域を検索するためのものです。
智慧カードは for テクノロジー
TOIカードは forビジネスアイデア、日常課題
です。
追記:
将来的には、
for X のXをニーズに応じて確立していきたいと思っています。