アイデアの技法「アイデアボックス法」
小説の舞台設定などを発案するときに、使い易いいい方法があります。これも、CPS(創造的問題解決)の教科書に出てくる方法です。
この本の技法のサブタイトルは、いつも力強いのですが、この技法についても、こうなっています。
アイデアボックス法
~新奇性を出すために主成分を結合せよ~
新しくかつ独創的な結合でたくさんのアイデアを生み出す偉大なツール
1)本質的な特性を挙げる
(取り組んでいる発想のテーマが、壮大な物語、であれば、その特性は、「登場人物」「設定(物語をめぐる舞台)」「時間枠」「出来事」、と教科書では説明されています。)
実践のコツ:この「本質的な特性」をあげる作業に、まず、難儀するかもしれません。そういう時には、531ストレンジ、の5つ挙げて、重要な3つ選ぶ。という行動、つまり、「多挙少選」のスタイルですると、やりやすかったりします。
2)それらの各々の特性の下に列をつくる
マトリックスをかきます。そして、行に、特性をうめます。
3)適切な選択肢で埋めていく
選択肢、というのは、具体的な内容、というべきものです。教科書では、出来事、という列には、「賭けに勝つ」「失業」「最初のデート」といった言葉がはいっています。設定、という列には「警察署」「カーニバル」「動物園」と。
4)各列から1つ取り出し、選択肢を合併する
まぜあわせます。それぞれの列から適当に取ってくると、新しい物語のがアイデアが現れます。教科書の表から選択すると「曲芸師(登場人物)、警察署(設定)、ルネッサンス(時間枠)、賭けに勝つ(出来事)」といった組み合わせになります。これらの選択肢からどんな物語のアイデアが浮かぶか、考えます。
5)字義を超えた拡張をする
多くの場合、字義的組み合わせは、到達点になりません。さらに拡張します。教科書では「動物園、を、動物公園としてみるとか、狂気じみた環境、デイケアセンター、ワールドカップサッカーの試合、金曜日のバーというふうに」と、あります。
(※ 上記の表現は、教科書から正確に引用している部分と、意訳し、独自の表現にして書いた部分があります。意訳を含め、正確な引用ではないことをおことわりしておきます。ぜひ、深く学びたい方は、出典の文献をご覧下さい。文献=創造的問題解決―なぜ問題が解決できないのか? P26~27)
これは、先に紹介した、ワードダンス法と、作業的に良く似ています。
物語を作る場合にだけ使える方法ではなく、用途アイデアを発想するときにもつかえます。
ある素材が持っている特性をもとにユーザのシーンを描いたならば、それらをこの方法を用いてミックスしたり、広げたり出来ます。
ヒットした商品をこの形でバラバラにして、その本質的特性毎にはこにいれて、ランダムに引き、組み合わせる、と言う作業は、一人での発想練習にもなりますし、うまく粒度をそろえれば、飲み会などでちょっとした遊び的な大喜利にも使えたりします。
なお、物語を作る人にはそれ専用の技法も(発想技法以外の分野に)あります。個人的には「物語の体操」がとても実効的ですきです。