「創造フェーズへの8分」
百式の田口元さんのブログに、興味深い記事があります。
脳が創造性を発揮できるようになるまでの時間
http://www.ideaxidea.com/archives/2005/08/post_30.html
「創造フェーズへの8分」とへッドライン化したい記事の内容です。
う~む、しびれます。
8分。これは、ブレインストーミングの研究に照らしてみると、こういう時間です。
ホットなブレストで、1アイデアは大体20秒。20分のブレストでいえば60個。この辺が、大体、速さパフォーマンスの上限。
この数字で行くと8分は、24アイデア付近。そろそろ、妥当なアイデアが出尽くす頃です。
チームによりますが、20~30を超えたあたりで、アイデアが出つくします。(ブレスト的な行動になれていると、この数字は倍ぐらいに上がって、50~60ぐらいで、出尽くす、というケースもあります)。
出尽くすとどうなるか。
簡単に言うと「創造性のおいしいゾーン」にはいります。
出尽くしてもうでない、くるしい、という感じる時期に入るけれども、このフェーズは、優れたアイデアの割合が増えます。
もちろん、たしかに、単位時間あたりのアイデア創出数は減ります。しかし、アイデア10個あたりの優秀アイデアの割合は、ぐっと上がります。
この数字の組立は、「ブレストの状況において」なのですが、あらっぽく、一人で考えている状況で、同様のことを展開してみると、こう考えられそうです。
1)8分を一人ですごし、創造思考の醸成に使う。
2)その間に人の頭の中で、似たことが起こる。
つまり、20秒1アイデア、ペースで、妥当なアイデアが生成され、忘却されていく。(短期記憶の保持時間が20秒)
3)8分経つ。20~30個の未成熟なアイデアを生産し、出し尽くして苦しくなる。
4)そういう時間帯に入り考え続けると、頭は、独創的なアイデアに、リーチし始める。
こういうことが個人の中で進行するのではないか、と。
そんなことを、田口さんのブログをいま、追いかけながらおもったのでした。
蛇足:一人ブレストで、1アイデア20秒の速度は、なかなか到達出きません。そういう時には、「発想トリガー法」が有効です。ダメなアイデアでも良いから1分間で3つぐらいのペースで、どんどんだすことができます(なれれば)。
8分とか、1アイデア20秒とか、20~30個とか、そういう数字には、一定の目安とでもいうべきものがあります。立証は難しいけれども、ある種の人にとっては示唆に満ちた数字群かもしれません。
さて、理屈はともかく、試してみたいことを、まとめてみます。
手順っぽくして。
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(小まとめ)
「創造フェーズへの8分」が、仮に妥当だとうけいれたならば、一人ブレストの時に、するべきこうは、こうだ、といえます。
1)発想のテーマを端的に、紙片に書く
2)適していそうな発想トリガーとタイマーを用意
3)8分にセットして、なるまで、ひたすらアイデアを出す
4)なったら、後10個、アイデアを出したら終わり。
(多様な事例から概算すると、1)~4)で30分ぐらいかかる)
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標語 8分出して、あと10個。
メモ:
この田口さんのブログへの入り口はこの記事でした。
ストレスフリーのホワイトボード術
http://www.ideaxidea.com/archives/2006/08/post_116.html
知的生産にとって、とても有効な記事です。
読んだ時の私の頭に浮かんだ言葉:
「ホワイトボードは、お盆だ。なければ、何度も往復しないといけない」