PPM分析。 戦略チェックリスト。
先日(月曜日)、東北大の大学院で行われる経営戦略論の講義に参加しました。PPM分析の説明があり、それまで自分では分かっていたつもりでしたが、本質は初めてその時に学んだと感じました。O教授の講義は本当に興味深いです。
PPM.ppt
縦軸は、市場成長度。上に行くほど高い、下に行くほど低い。そのカッティングポイントは、「市場成長率10%」が一つの目安。絶対的な根拠は無く通常の市場の魅力度を考えるときに一つの指標となる数字である、とのこと。
横軸は、相対的マーケットシェア。左に行くほど高い、右に行くほど低い。そのカッティングポイントは、「相対シェア1.0」。(なぜ1.0なのかは聞き取れず。)
(成長・シェア)であらわすと、
(高、高)花形 (高、低)問題児
(低、高)金のなる木(低、低)負け犬
市場成長率、は、業界の魅力度、を現している。ある意味、外部環境。
相対的なマーケットシェア、は、自社の強み。ある意味、内部環境。内部資源。
(以下、私見)ちなみに、市場の誕生・成長・熟成・衰退のサイクルを考えると一つの業界は、「低成長」→「高成長」→「低成長」(そしてマイナス成長)と動きますので、下の段、上の段、下の段、というダイナミズムで各社の位置づけが動きます。
市場の出来た当時はパイ自体が少ないため、金のなる木と問題児は縮退した状態と考えれます。それから成長期に競争を勝ち抜いて高いシェアを獲得した事業(花形事業)は、熟成期にそのまま下に下りて、シェアが高く競争があまり無いため非常によい経営状態になります(金のなる木)。一方で成長期に小さなシェアであった企業は、熟成期にはそのまま下に下りて、頑張ってもシェアを大きく奪うことは出来ず小さなパイでジリ貧の事業になります(負け犬)。
また、一つの業界の時系列変化ではなく、一つの企業が持っている複数の事業部門をこのPPMの上に配置して、各事業が、バランスよく配置されていることが事業を行ううえで重要な視点となります。金のなる木の事業は長期的には業界自体がシュリンクしていきます。そのために、今から問題児の事業に資金を投入して花形へ育て将来の金のなる木にしてゆく、という戦略的な経営資源の配分が必要になるわけです。
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追記
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「よい戦略とは」チェックリスト、という視点も講義に出ました。「5つの適合」とも表現されます。
1、顧客ニーズ
2、競争相手との差別化
3、技術の流れ
4、経営資源の手当て
5、組織の活性化
これらの視点でチェックすることで効果的な戦略を検討することが出来ます。
(以下、私見)私の構想するコーディネータオフィスについては、これらのチェックポイントがどうかな、とふと考えてみるとなかなか興味深い示唆がありました。これらを心に留めて活動したいと思います。
1、顧客ニーズ
→これをもっともっと数と質を深める活動が、それも定期的な活動が、必要だ。
2、競争相手との差別化
→独自のコーディネート手法を開発中。これが十分効果的であるようなものにしたい。
3、技術の流れ
→コーディネートスキルの近年の上昇、これまでの属人的なスキルであったものが、次第に知識ベースやシステマチックな手法になってゆく。システマチックなイノベーションが一つのキーワードになってゆくと予想される。
4、経営資源の手当て
→ここは問題。一人企業を経営する分にはさほど苦しまないだろうが、ある程度の段階である理論の大きなソフトを購入したい。その費用などに課題がある。もっともその前に十分な人件費を獲得することが最大の課題であるが。
5、組織の活性化
→自社の事務スタッフ、関係取引先が常に活躍できるような雰囲気や方向性を常に留意して。社会に求めれて評価されている、という状況を常に心がけよう。