セグメンテーション&ターゲッティング
ある保有技術を生かして新事業を立ち上げる際にどの市場を狙うことにするか、ということを考えるときに、対象市場を詳しく分析して、「この市場セグメントに狙いを定めて事業化しよう」と意思決定することになるわけですが、これをセグメンテーション(市場の細分化)とターゲッティングといいます。とても参考になるのがレオナルド・ローディッシュ『アントレプレヌーリアル・マーケティング』です。以下、引用します。
セグメンテーション:対象となる市場をいくつかに分割すること(市場細分化)。
セグメント:そのように分割されたグループ。
『セグメンテーションの狙いは、自社の商品・サービスやマーケティング活動に関心を示す顧客を明らかにすることにある。そしてセグメント内のニーズが同質のものとなり、なおかつ他のセグメントのニーズとは異質のものになるように作業を進めていけば、セグメンテーションの目的は達成されたことになる。』
『ベンチャー企業の場合は対象セグメントは一つか二つ』
さらに加えて、市場のセグメントを選ぶときに、解決しなければならない3つの問題がある、と続けています。
1(最重要)「自社が提供しようとする価値を、ターゲットとするセグメントは、他のセグメント以上に求めているか」という問題。この場合の「価値」とは、商品の物理的な特徴ではなく、消費者によって知覚された「効用」。
2(最重要)「セグメントに迅速に到達するにはどのような方法があるか」という問題。流通チャネル・メディアの利用は?自社で展開?セグメントに到達するための手段は、費用対効果からみて割りにあう?競争相手より早くセグメントに到達し、そのセグメントのリーダになれる?
3「セグメントはどのくらいの規模のものか」という問題。その規模が、セグメントの開拓コストに見合うだけの収益が得られる大きさでなければ自社は損失をこうむることになる。
この後に続いて、”タンデム・イースト社の「ターゲティング」”という明快なケーススタディーがあり理解が促進されます。セグメンテーションをどういう属性の2軸で表現するかは、逆に上述の問題をクリアするために、起業家により「発見」されなければならいのだと思います。