2006.06.03 メソッド&ハウツー 成功するハイテク事業は、実は95%のローテクと5%のハイテクである。今日は、大学院のMOTの特別講義を受けていました。客員教授の出川通先生(株式会社テクノインテグレーション、社長)が先端技術と事業化に関する理論とケースを教えてくださいました。大学院生時代に受けた出川先生の講義は、研究者としても勉強になりましたが、現在のコーディネータの仕事の実務の上ではさらに学びになることがたくさんありました。(すぐに業務の課題に使えるヒントが2つも。) お話のうち、理論的なことは、先生の著作物やインターラボなどの連載で見ることができます。書物にはかかれない開発の実際の話は、コンサルティングを行ううえで重要なセンスを与えてくれるものばかりでした。差支えがあるのでここでは言及を避けておきますが、私が普段支援する地域企業さん(その多くは、優れた基盤技術をもち、熟成市場にいて価格競争にしのぎを削る中規模の企業さん)にとって、革新に向けての重要なヒントがあったので紹介しておきたいと思います。 成功するハイテク事業は、実は95%のローテクと5%のハイテクである。 成功する技術革新(そして経営革新)は、ハイテクとローテクのバランスが大切であり、そのバランスは一般に考えられているよりもはるかにハイテクの割合が小さい、とも言い換えられます。先生はさらに続けて、関係する2つのお話をされました。 「ローテクをうまく使って境界線近隣で仕事をする。」 「先端度が高いと、既存技術体系との非整合性が高くなる。」 そして、覚えておきたい視点を一言。「顧客は技術を求めず、ベネフィットを求める」 95%のローテク、といえば、ほとんどローテク企業といえるわけですが、そのわずか5%の技術のプラスアルファをすることで、成功するハイテク事業への展開が可能なのだ、としたら、私の地域の企業さんはほとんどが、その成功予備軍になります。この地域には力がある。それを引き出す何かが必要だ。としたら、それをお手伝いするのが私コーディネータの仕事なのかもしれません。その5%を寸分の狂いなく即獲得するような支援はできなくても、企業さんと一緒になって汗かいて、5%を見つけて獲得していくことを全力でお手伝いすることはお約束します。そういう支援者がほしい方は、どうぞ石井までご連絡ください。 « 大学発ベンチャーを訪問してきました。 マイルストーン。ノーエクスキューズ。 »