図解のプロのノウハウ、デュナミスが新サービスをリリース。
宮城大学発ベンチャー「デュナミス」。私の受入機関です。内部に入って、自然と少しずつ学んだスキルがあります。「図解」です。とはいっても、座学で学習したのではなく、日々目にする同僚の仕事の様子、社内の資料をみて感じ取っている、というほうが正しいですが。
「図解」の世界で大家である久恒先生(宮城大教授)。そのノウハウをコンサルティングツールにして事業化したのがデュナミスです。(それ以外の要素、価値も沢山ありますが。)
そのデュナミスがまた、新しいサービスを展開しています。
以下、その内容を、プレスリリース形式をまねして書いてみます。
新サービス「インターネット図解講座」
http://e-zukai.net/rikai/
宮城大学発ベンチャー”Dunamis(デュナミス)”が、
新しく「図解」のネット講座を始める。
宮城大学は「図解」の大家である久恒啓一教授の
高度な図解技術の蓄積がある。宮城大一期生たちは
そのノウハウをコンサルティングツールとして活用。
学内組織を形成し、事業として大きくなり
今日の大学発ベンチャー「デュナミス」へといたっている。
デュナミスはその図解のノウハウを全国を対象に
ネット上の講座として提供を開始予定。
現在、生徒を募集中。12/8まで。詳細は上記URLにて。
こんな感じの新サービスを展開しています。面白いですね、プロのノウハウを学ぶ方が、全国に数十名規模で生まれる。私が横目で見ていて学んだことは本の一部。もっとしっかりと継続して学ぶ人はかなりスキルアップになると思います。
私個人で言えばデュナミスに来てから、かなり説明資料がすっきりするようになりました。先日の「絵本」や「ブレストの実際」の挿絵も、PPTで私が作ったのですが、以前の挿絵に比べて格段に見やすいといわれます。さほど図解を意識していませんが、過去のものに比べて、明らかに、挿絵やPPTの表現が改善していることは確か。
この図解講座を学ぶと、若いビジネスマンは多分、パワーポイントがすごくクオリティーが上がるでしょう。これはほぼ確実。それから、自分の分析する力と創造する力が次第についていくことも、多くの方が経験してゆくでしょう。
このデュナミスの取り組みがどういうことになるのか、差し支えない範囲で引き続き参与観察して行きたいと思います。この講座を受けてみたいという方は、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょう。忙しい時間をやりくりして、ぜひ参加してみたい講座です。
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図解のプロを観察。石井の私見。■
社内にいると、コンサル部隊は、いつも、スケッチブックと太いペンで、さらりさらりと図解を書いています。後ろから見ていると、次第に「門前の小僧、習わぬ経文・・・」となるわけです。ああいうのは、こういう構図になるのか。なるほど、よくできた見栄えは、単に技術だけじゃなく創造性や論理性の引き出しを効果的に作動させる装置なんだ。と時折思います。
図解とは、なにか。石井の解釈では次のとおり。有形無形のものごとを、点と線と領域(丸とか四角)で、説明したもの。図で、解説したもの。なので、若干の単語と短文も含む。
図というのは、右脳です。創造性の部位。何かを生み出す部分ですね。
言語というのは、左脳です。論理の部位。何かをコミュニケーションするための部分ですね。あるいは、アウトプットのための脳。
図解は、図+単語短文。なので、右脳と左脳の両方で補完しあう情報形式だと思います。
創造性の理論ではよく「図に描け」という示唆があります。言葉1,000文字連ねても、相手に伝わらないことも絵で書くとかなり伝わることがあります。たとえば螺旋階段。見たことないヒトに、メールの文書でそれを伝えるのはかなり大変。でも、図にして空間認識を二次元に転写するのはまだ容易。そういうことです。
有形無形のものとことの中には、言語で伝えることが最適なモノがあります。一方で、言語で伝えるよりも、少ない文字でより正しい構造や状況を相手につたえるもの、それが図解ではないかと思います。なお、全くの完成に近い部分を相手に伝えたければ、本格的な絵画を描く、という作業でしょう。その意味では図解は、絵(感性、抽象)と言葉(論理、具体)の両方の特性がある表現方法です。
それから興味深いのは、「脳はゲシュタルト(全体性)を求める。」という話。マンダラートなど、発想を強力に誘引する技法などに関係する脳の特性です。図解を作る、ということが実は、俯瞰と構造を整理させ、構造から概念上の空白エリアを発見させることになります。そして脳はそこに周囲の意味構造から”埋めるもの”を想起させます。これは、あるいみ、情報の構造から意味を抽出していくKJ法の思考メソッドに近い。そして、その空白を自然に想起させる意味では、この手法の特徴であると思います。
人間の頭の動きを3つに分ける。インプット、分析し創造する、アウトプット。図解は、アウトプットのメソッドと思われがち。しかし、分析し創造する、という部分メソッドである点が実はメソッドの真価です。図解を見たヒトはアウトプットの成果物だけなのでそこが分からない。これはデュナミスの中に来て、コンサル部隊を観察して初めて気がついたことでした。