「間違いをすることの大切さ」
失敗と創造性には、深い関係があります。
『創造的問題解決』のP81~82に非常に興味深い記述があります。ページ脇コメント(この本には脚注以外に、ページの脇に、ショートコラムが任意に記載されている)もふくめて、8つの部分を引用します。(なお、記事タイトルも本文からの引用です。)
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(引用)
「成功する方法は、失敗する率を倍にすることだ」(Thomas Watson, Jr.)
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(引用)
トーマス・エジソンは電球を発明するため、効果的なフィラメントの材料を見つけ出すまで約3,000近い方法を実験した。2,999のそれぞれの方法は失敗だったのだろうか。そうではない。それらはエジソンが願っていた結果を生み出さなかっただけなのだ。
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(引用)
私は失敗などしていない。むしろバッテリーの発明に結びつかない5,000の方法を学んだのだ。そして、私は自分の目標にそれだけ近づいているのだよ。
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(引用)
トム・ピーターのビジネスで成功するための3つの鍵を覚えておこう。
1:すぐにテストする
2:すぐに失敗する
3:すぐに調整する
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(引用)
誤解しないでほしい。完全に正しいことをすることは非常に重要だ。しかしながら、この原理をあまりにも早い時期に使い始めると問題が起きるのだ。残念なことに、人々はこの原理をあまりにもすぐに適用する傾向がある。
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(引用)
失敗を受容する場所でしか、成功につながる考えを生成することはできない
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(引用)
時々間違いをするのは構わない、新しいことを試みるのも構わないという環境において、創造性は繁栄する。創造的であることの一側面は失敗をすることでもあるのだ。
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(引用)
ワークショップ等で参加者がくつろぐことをうながすためのテクニックに、彼らに「間違い指数」を与えることがある。ワークショップ中、彼らは少なくとも間違いを30個行うことが期待される。もしその目標を達成すると、さらに30個の間違いを割り当てられるのだ。これにより参加者たちは、自分たちのアイデアや行ったことが完璧でなくとも笑われないということに気づき、難しい問題を解決する新しい方法を恐れず試みるようになる。こうして彼らはさらに参加し、学ぶ意欲を高めていくのだ。
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特に印象に残る部分を3つにまとめてみます。
・創造性は失敗の許される環境で発芽する。
・成功するには失敗の率を上げること。
・30回失敗することを期待される。
どれも、「そうそう、言いたかったんだけれど言葉が見つからなかったんだ」とか「おお、そうか、成功には、いつもよりももっと失敗することからはじめるといいのか」といった新鮮な気づき、そして「ああ、なるほど、失敗しても大丈夫な場の作り方ってこうすればいいのか、ほー」といった感想を持ちながら、この章を読みました。
間違いをすることの大切さ、それを認める。そして、一歩具体論に踏み込んで、いかにして、「失敗を同居させる」のか。深く感じるところのある文章でした。