IかYouか、から、Weへ
人との紛争が起きたときに、どう対処するべきか、というスキルについて、昔学んだことをちょっとご紹介したいと思います。
世の中には、驚くほどたくさんの「不条理」なことがあります。約束を反故される、悪くないのに割をくう、自社以外の責任によって計画が頓挫する、そんなことはしょっちゅうおきます。
自分一人が我慢すればいい話のときは、比較的、「そういうこともあるか、やむなし」と我慢できたとしても、たいていは自分につながる仕事相手がいるので、相手も同じく計画の頓挫で被害をこうむったりします。そうなると、間に入る自分が大きく責められる、なんてこともおこります。
さて、そういうときに、どうすればいいか。「自分だって、困っているんだ、しかたないじゃないか!」といってしまいたいときもあるでしょうが、仕事相手にしてみれば、それは関係ないわけです。あなたから言われて進めてきたのに、、、、と。ここで自分が「自分もつらいんだ!」と返すことは、自分と仕事相手の対立へと一歩足を踏み入れることです。
このときに、これを正面からガッっとうけずに、合気道のような「受けて相手の力を流す」ような心構えで接します。相手に近づきつつ、回り込んで脇につけます。逆にNGな動作は、正面から受けて”誰が悪い”の議論になってしまうこと。それから、逃げることもNGです。逃げてはだめです。また、一見やりがちなこととして「相手との距離を一定に保ったまま」にしておくこと。これもだめです。難しいときほど、相手の懐へ。そういう意識が状況を好転させやすくなります。
そして、相手と自分が、私たち、という主語で語れるものを探します。なぜそうするか。これは、もともと仕事であれ、非営利活動であれ、何か達成したいことがあればこそ、パートナーになってやってこれたわけで、「私たち」で語る言葉は、自分と相手の利害が共有されているものを話のテーブルに乗せやすくする話し方だからです。
「私たちは、そもそも、、、、」「私たちとしても、、、、」「ここで、私たちができることは、、、」そういう感じで状況を分析していくと、進むべき方向に向けて、何ができるのか、ということをディスカッションしやすくなります。
最終的には、「私たちの達成したいもの(左上の星)」を確認し、私たちの立ち位置を確認し、その二点を結ぶことで定義される「進むべき方向(斜めに横断する大きな矢印)」を確認する。そして目の前の課題に対して、私たちが何をできるのか、するべきなのか。といった話し合いができれば、望ましい状態になります。
(ただし、注意が必要です。この部分へ性急に入るのは、相手のトーンを急旋回させることになり、反発がうまれたりします。相手のほとぼりが冷めるまでは、「私たち」視点で、相手の気持ちを放出するクールダウンが必要です。)