凛とした気迫を生むもの。
今日はちょっと、動物的なトーンのお話です。
上腕筋にえいっと力を入れて、金属の構造体をねじ切らんばかりに掴んで、それを丸ごと投げ飛ばす、、、。そんな感覚ってありませんか。
私は昔、水球と柔道の部活をやっていました。水球は本当に打ち込んでやっていて随分筋力や反射神経がついたものでした。柔道のおかげでバイクで転倒しても無意識に受身を取っているようです。相手の胴着の襟を手のひらで巻き返すように掴みこんで、相手のことをぐいぐいと動かしていく感覚や、寝技で相手を組み伏せる技術や集中力。
そんなものを若いころに積んでいたときには、上腕筋に力があって、むずかしい物事をえいっと、力任せになぎ倒せるような、荒々しい精神をもっていた気がします。
いつからか、そういう部分は「大人になる」ことで減っていって、力任せの方法はとらなくなりました。そうでなくてはこまるわけですが。
しかし、やはり、苦しい局面、困難な局面を打破していくには、荒々しいまでの意思の力が必要だ、と時折思います。それは「凛とした気迫」として内外に漂うものになります。鋼のパイプだって両手でぐいいとひん曲げんとするくらいの気迫。たとえ、誰かが止めようが、引っ張ろうが、それを振り払って、ゴールを決めるような力強い駆け抜けるという覚悟。
そういう気質は、紳士的に生きることと同居するべきなのだと私は思います。凛とした気迫というものは、「紳士さ」と「荒々しい精神」の高度な融合なのではないかと、個人的に思います。
震えるような使命感。全ての壁を突き破ってでも達成したい夢。わけもわからず自分をそこへ運んでいくよう強い情念。そういう部分に時折着目してみると、丸さに安住しないでいられます。