感性重視型の商品開発の研修。
8月6日。宮城県産業技術総合センターの提供する商品開発・デザイン研修に参加しています。
3部構成のうちの第一弾にあたる「感性マーケティングからの商品開発研修」に今日から三日間参加しています。講師は、宮内博美先生(静岡文化芸術大学 デザイン学部教授/メディア造形学科長)。世界で一番受けたい授業にも出演された方です。
今日は座学と、カラーチップと雑誌をつかったワークを行いました。興味深い話ばかりで、メモを随分と取りました。

特に興味深いのは「感性的な尺度を作る」というくだり。デザインのような感性的なものを商品などへ具現化していくには、色・形・素材・柄などの多様な選択肢の中から、試作しては、ここが違う、というすり合わせの連続でものが出来ていくのですが、この感性的な尺度が作れれば、暗黙知的な部分の多くを、形式知として感性イメージを共有することができます。
感性イメージを、9つのカテゴリーにわけ、互いの関係性を考慮すると次のようになるとのこと。
愛(AI__) 素(SO__) 優(YU__)
楽(RAKU) 趣(SHU_) 品(HIN_)
華(KA__) 格(KAKU) 理(RI__)
特に、素・楽・品・格は、大きなカテゴリーになるそうです。
この表に対して100以上のカラーチップから、9つのイメージに近いものを貼り付ける、というワークをしました。私なりに、イメージしたものを張りました。(あくまでも私なりのイメージです)
愛…母親が子供に向けるトーン、その色調。
素…日本の古い道具をイメージ
優…淡い、やさしげな色使い
楽…楽しくなるような北欧のおもちゃをイメージ
趣…味わいある茶室にいて目にするような配色
品…品格あるおばあさんの持つアイテムのイメージカラー
華…花のビビッドな色使い
格…格調高いホテルにあるような落ち着いていてしかしリッチな配色
理…理科に出てくるもの(植物の緑、海の青、雲の白)
カラーチップからそれにあったものをはり、全参加者のものを、カテゴリー別に集めて比較しました。驚いたことにかなり近い事がわかりました。一方である種の色では、自分の感性が感じている色が他の人とは違いがあるものもありました。いずれも興味深いものでした。
そのほかに興味深かったことに色に関係する3要素。
・自然環境、風と土
・気質、人間性
・遺産伝統
これらはさらに4項目くらいから構成されています。
地域活性化を考えるときに。
配色には無限大の組み合わせがある。人の評価軸は3つだ。
好き―嫌い
薦める―薦めない
良い―悪い
製品の発展段階と色の関係
発生期:コーティング、白黒、無垢の色
成長期:カラー、派手な赤、青などが登場
安定期:カラフル化、中間色(ベージュ、ブラウン)
成熟期:イメージ・コーディネート、多様化・個性化
爛熟期:テイスト、ライフスタイル
衰退期:パーソナル
後半3期間は「複合訴求が必要」「顧客心理の研究が必要」とも。
また最後の衰退期は、経済上の宣言を排除し、物ができる。
先生が繰り返しおっしゃっていたことに「色と言葉。これからコラージュ表現をつくる。ボードにする。いかに自分が考えたことを正確に伝え、具体的になるようにするか。だ」「どうすれば、アイデアというものが具体的成果になるか。だ」というのがありました。