創造的所産には3つの明確な次元がある。
創造的所産。所産、いいかえれば、生み出されたもの、作品・製品。創造的に所産には手に触れられるものとそうでないものがあります。創造的所産には3つの明確な次元が有る、ということを海外の研究者たち(※1)は明らかにしています。
創造的所産がもつ3つの次元
●目新しさ
●解決
●巧緻性と統合
より詳しい内容を見るために、出展文章を引用します。(出展『創造的問題解決』)
三次元
創造的な所産は創造的な努力の結果生まれたものである。触れられるものであろうとなかろう(新しい自動車とか新しい概念)と、それは目新しさ、解決、巧緻性と統合を確実に示している。
●目新しさ
「この所産はある方向において独創的にであるか」。目新しさは、新しい概念、過程、あるいは使用されている新しい材料の観点から見た所産の独創的な程度を示している。しかし目新しさは単独では、創造的な所産を保障するものではないことに注意が必要である。自分自身をトースターと考える狂った人は、新しい思考をすることはできたけれども、誰もそれを有益だとは認めない。「目新しさで十分ではないとするなら、創造的所産には他に何が必要なのか」。
●解決
「所産は機能するか」。すなわち、「その所産は挑戦問題をどの程度うまく解決しているか」「それは有益か」「それは価値を提供しているか」が必要である。
●巧緻性と統合
「この所産は一貫性があるか」。巧緻性と統合とは、1つの所産が異なる要素を1つの全体に統合する程度を示している。その基準として「エレガントであるか」、「理解できるか」「手際がいいか」も必要である。
(引用ここまで)
この3次元はとても、示唆に富むと思います。多くのアイデアフルな人が思いついたアイデアは、「ワイルドなアイデア(未成熟なアイデア)」であり、独創的なアイデアはあるけれども、「どう有益なのか」「既存の要素に入れ込もうとすると矛盾がでる」ということがあります。そこの2つについてもクリアしていくプロセスが、アイデアを”有効なモノ”に高めていくこと、なのではないかと思います。
追記:
創造に関する学問は古くからあります。創造性テスト、というものもあります。(そしてそこには、賛否のわかれる息の長い議論もあります。)
人間の創造性を3要素に分けるなら、
「流暢性」(沢山出せる)、
「柔軟性」(幅広いカテゴリーのものを出せる)、
「独創性」(他に出していないものを出せる)です
です。人間の創作活動の結果つくられるものが「所産」です。その所産が「創造的であるかどうか」をみるのは、一般にはひと任せ、のところがありますが、上にかいたような本質的な指標があります。これは物事が創造的な度合いを考えるときに、役に立つと思います。
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資料
※1:スーザン・ビズマー(Susan Besemer)、ドナル・トレフィンジャー(Donal Treffinger)、カレン・オクイン(Karen O’Quinn)
参考文献
B.ミラー他(監訳 弓野憲一他)『創造的問題解決 なぜ問題が解決できないのか?』北王子書房、2006