作者の心、編集者の心
タイトルの言葉は、「創造的問題解決」のP13のタイトルです。そのページから以下、引用します。
(引用ここから)
偉大な作家は2つの心を持っている。1つは、作家としての心であり、広い想像と自由な発想のできる反逆者(renegade)としての心である。他は編集者の心であって、作家の心が仕事をなしたあとで振り返り、無関係な価値のない付加語や節やアイデア等を取り去る。(中略)同じ原理がすべての創造的思考に適用できる。アレックス・オズボーン(Alex Osborn)は彼の画期的な本「Applied Imagination」において、創造的であるための本質である2種類の異なった思考を記している。
発散的思考 多くの選択肢を生み出し、リストを作り上げる
収束的思考 選択肢を判断し、焦点づけ、意思決定する
(中略)新しいアイデアを、創造する秘訣は、あなたがとっている思考モードに意識を向け、発散的思考と収束的思考を分離することにある。
1つの問題にアプローチしたり、挑戦するときには、まず最初にあなたの「作者の心」に入る。あなたの発散的心である。そして、多くの選択肢を生み出す。それが終わった後に、あなたは編集者のクリティカル思考の帽子をかぶり、アイデアの判断をすべきである。
(引用ここまで)
そのページの枠外にこういう挿絵があります。
「創造性エチケットルール
発散と収束を同時にやることは良くない」
と。
アイデアに関する作業は、時に混沌としていたり、時に全く何も生じてこないときがあったりしますが、実は、効果的にやるための基本的なルール(それは創造性の特性を引き出す為のいくつかのもの)はシンプルながら有効に創造作業を促進します。
私はこの本を手に入れてから、実に何十回も読み返していますが、毎回、理解が深くなる余地があります。読み手のレベルに応じて訴えかけるモノが変わる、というのは、良い本ですね。
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参考文献(出展)
B.ミラー他(監訳 弓野憲一他)『創造的問題解決 なぜ問題が解決できないのか?』北王子書房、2006