2008.06.01 メソッド&ハウツー グループ討議をうまく指導する方法を見つけました先日、ある機会があって、複数同時のグループ討議に、うまいやり方をアドバイスする、という場面がありました。 一グループは10人弱。それが4グループ。それを1時間くらいの間に、うまくいかないポイントを見出して、短時間で解釈して反映してもらえるくらいの少ない言葉でアドバイスを、届ける、ということに取り組みました。 その結果、うまくいきました。いろんな偶然が重なって、持参したものをうまく工夫してみたら、予想外にうまくいった、という事例です。せっかくなので、これに限らずこの方法を活用したいとおもい、書きとめておきます。 1.アンケートを取ります。 あっさりしたアンケートでよいです。自分のグループのディスカッションの進め方について、「いい点」と「悪い点」を書いてもらいます。ただし「悪い点」は、そう表現しないで「改善するともっとよくなる点」と表現します。建設的なアンケートデータがえられます。 2.良い点はほめ、もっと改善できる点を把握します。 ざっと、印象ベースで、それを短時間に読み込んで、脳内で処理します。 3.会議の科学、とでも呼べるような方法(メソッド)があります。それを利用します。 「会議が絶対うまくいく法」など、古くから知らています。複数人の力でモノを考え、選び取っていくという作業の効果的なやり方が。これをもとに、そのチームの良い点を具体的にほめ、もっと改善できる点を指導します。 そのほかにも、コンセプトの進化と選択プロセス、といったアイデア評価手法もあります。残念ながら書物になっていません。 4.あらかじめ、要約して、カード(もしくはシート)にしておき、それを使います。 上記のような本の引用は、即効性に問題があります。短い時間で判断しないといけない。短い時間で相手に伝えて、すぐに反映してもらわないといけない。こういうときには、「詳しく、正しい」ことは、むしろ邪魔です。言いすぎかもしれませんが。 少々、正確さを欠いていて、情報の詳しさが落ちたとしても、「すぐにコンパクトに使える」ということが大きな価値になります。こういう局面では。 そこで、私が以前、こうしたチームでの発案・討議の進め方を効果的にするメソッドを整理して、独自に開発したツールがあります。「Team Engine Cards」といいます。 カード本体をここに、公開します。Team Engine Cards.pdf これをA3シートに9サマリアップして印刷します。そして、よいと思ったところは、カードをさしながら褒めます。もっと改善できるとよりよくなる、という点は、カードをさしながら、具体的な一言ヒントを与えます。このときアドバイスは、アンケートをもとに、皆が感じている「やりにくさ」を解消するものなので、聞いているメンバーも肯定的に受け止めやすいです。なお、いくつもいくつも、説明してはだめです。せいぜい4カードに、しぼって、アドバイスをします。多すぎては伝わらない、残らない、からです。 チームも議論方法を模索して確立していきます。その中でチームで決め方に関する合意形成ができるまでが最も長い。最も非定形で扱いにくい。そこを効果的にくさびを打ち込むことで、短時間で成功してもらい、成功体験を身につけてもらいます。 « 仙台の街は元気な人がいっぱい! 世の中ネーミング集をヒントに発想する方法 »