ないものを、デザインする心
私がリーダを務める開発チームでは、いま、3つの商品のデザインが進んでいます。正確には、複数の開発チームでありメンバーは、部分的共通であり、傍目にはややこしい開発状況です。
まず、最大の目玉となる開発品。これは、一流のデザイナーがデザインを進めてくれています。彼のコンセプトワークは、もう、才能としか、言いようがない。そんな素敵なモノづくりをされます。その彼は、プロのデザイナーの精神世界を少しだけ垣間見せてくれます。とてもセンシティブです。私から見たらすごい能力の人なので、彼はこの商品を描くときも太い線をぐんぐんとフリーハンドで迷いなく筆をふるうんだろう、とおもっていたのですが「世の中になかったものを作るの心」とでもいうべきものを垣間見せてくれて、しばし、感心していました。なるほど、そういう精神世界が、「ないものは創るしかない」の人の心に広がるのだ、と。
すこし後に述べますが、世界に初めての事業をつくりだす起業家、の心のありかたに、共通するものがあります。ならば、と、起業家の心の強化方法を、デザイン分野にも応用できるのではないか、とアイデアを考えていました。あとに述べます。
さて、2つ目です。これは、私自身がデザイン作業を担当しています。これは、素朴デザインを売りにするので、私が主担当ですが、チーム内に、アドバイスをしてくれる人がいます。また、遠い所に、そのコンテンツに関する分野のオーソリティー(恩師)がいて、助言をしてくださっています。また、英訳をしているのですが、そのために、英語の堪能なかたと英語表現のディスカッションをしたりもしています。
デザインのもどり。
これがどれほど、デザインした人に、ショックであるのかをしりました。とくに、完成度をたかめていた、気に入っていた、デザインであるほど、そうだ、と。いろんなレベルのモノ作りに参画しますが、デザインする人の心理をしったのは、大きいと思います。なおしの入るのは、しかたない。その修正をさらなる成長の糧にするんだ、という心理の持っていきかた、新しい風を入れてくれる人とディスカッションをして、さらに高い所に成果をもっていくとよい、ことなどを学びました。そして、できるかぎりに、ショックで立ち止まっていることなく、ショックの暇があれば、次の行動にむけて手を打つこと、だということも。
デザインの直しは、よりよいものを生み出すチャンス。
NGのときは、すぐ次の手を打ちに、はしりだせ。
要約すると、そうなるでしょうか。
3つ目です。これは、社内チームで構成されています。社内のリソースをフル活用することで、私自身は、コンセプトワークとラフスケッチだけ。あとは、見積もり作業やデザイン作業、試作品作成作業は、どんどん進めてもらえます。こういうプロジェクトばかりでは、いけないかもしれませんが、自分の力をN倍加するためには、必ず必要であり、このコンセプトをつたえて具現化してもらうスキル、も重要なチカラですね。
スマートで、かなり社内の他の事業部にも使ってもらえる、いいものができつつあります。
この時に意識するのは「ゴールは具体的に示す。やり方は本人におまかせする」ということです。
デザインをする、というのは、本質は考えるという作業です。かなえるべきことを明確にして、あとはたどりつき方は自由度があった方が本人の力を活用してもらいやすいですから。
モノづくりの3つのプロジェクトを異なる立場で、同時進行しています。どれも私の経験にとって貴重なもの、アウトプットも貴重なもの、ができつつあります。
※ 途中で書いた「世界に初めての事業をつくりだす起業家、の心のありかた」「起業家の心の強化方法を、他の分野にも応用できるのでは」ということについては、別の日のブログで言及してみたいと思います。