IDEOへの切符
【2008年の記事の再掲です】
日記風に書きます。
「シリコンバレーにいくならば、今年しかない。」そう思ったのが、今年の初め。シリコンバレーに行くぞ、とA4の紙に、書き出した。書けば必ずそれは叶う。と信じて。すぐにWEBサイトをしらべ、住所を把握した。本屋に行って、英語の会話の本と地球の歩き方をかった。
もどってきてから、しばらく探してから、IDEOの本社がシリコンバレーにあると気がついた。絶対にこの会社だけは、訪問したい。ほかは、前まで行って空気感を肌で感じるだけでもいい。運よく解放エリアにはいれてみれたらラッキー。でもIDEOだけは、本のあの世界をこの目で見たい。
本の中に、見学ツアー、という言葉があるようだ。書評を見るに、持っていない二冊目にある、とのこと。値段が高いのと書店にみあたらなかったので、「ツアーか…参加できるならしてみたい」とおもう。WEBサイトをめぐって、苦手な英語をよんでみるも、IDEOのサイトにも、ビジネスウイークのIDEO記事にも、そのことは触れられていない(ように見える)。
それからしばらく、忙しさにかまけて、シリコンバレー行きは、停滞する。そのうち、シリコンバレーオフィスの赤間さんの存在を友人から聞く。ブログを見て、すごく面白くて、やっぱりシリコンバレーに行ってみようという気持ちが強くなる。
そうしているうちに、赤間さんが仙台(東北大学)にいらっしゃると、ブログを見て知る。お会いしたいです、お時間くださいとおねがいして、お会いする。
シリコンバレーに行こう。どこにもアポはないけれど、少なくとも、赤間さんのところ(大学のSVオフィス)だけは確実に訪問できる、ということが、最低限の行動保障、のようなものになって、俄然、シリコンバレー行きが、現実性を帯びてきた。
飛行機をしらべる。オフシーズンがある。11月から12月の前半。この時期に行こう。秋にはフライトを確保しないといけない。
夏。焦る。
IDEOに訪問したいが、いまだにつてはない。日本法人も今はなし。デザイナー関係にもつてはない。どうしたらいいだろう。またIDEOのことをネットで調べてみる。今度は日本語でも。すると、一人の日本人の詳細なIDEOオフィスの素晴らしいレポートを発見する。「イノベーションを起こすワークプレイス:IDEOパロアルト、サンフランシスコ」ワークプレイス・コンサルタントの須田冨士子氏のブログ「ワークライフ」。文体の素敵さもあって、しばらくブログをよんでいく。数ページ目でそろそろ、閉じて引き上げようとしたところ、「IDEOのセミナーがどなたでも受けられます!しかも東京で!」というエントリーが目に入る。
何度も読み返し、研修提供機関のサイトの内容も見る。IDEOの方がくる。研修費用は、むちゃ高い。一時間あたりでいうと1万円。定員を超えてしまったら、参加はできない。36時間ほど悩んだ挙句、申し込み。
秋。研修の初日。IDEOの方がいらっしゃる。講演。IDEOのイノベーションのメソッドは、非常に興味深い。そして、講演の後、シリコンバレーのオフィスを見学させてほしい、と単刀直入にお願い。快諾!
これで、念願のIDEOオフィス見学ができることに!
なお、これがきっかけで、ビジネス・エスノグラフィー研修を受講する。IDEOの方は初日のみであったけれど、残りの研修も非常に興味深く役に立つものであり、奇妙な縁で、すばらしい学びを得ることに。
この少し前、面白法人カヤックのオフィスを訪問してた。ブレインストーミングのための会議室を開発した同社。3年前からとても興味があった同社に、この秋に初めて訪問。CEOの柳澤さんと幾度か連絡を取り合う。そのさいに「シリコンバレー訪問で、IDEO見学してくるんです」という雑談をメールでしたところ、IDEOに一緒に行きたい、とのこと。もちろん了承。カヤックさんが一緒なら、現地までの道中も面白くなりそう。
もう一人、シリコンバレーであいたい方がいる。私たちの考える「知識創造科学×ITの構想」について、その方がどういうコメントをくださるのか、どうしてもこの時期、お聞きしたかったため。だめもとで、ご連絡をしてみるとなんとOK。お返事が非常に速いことにもおどろく。
これで満足なくらいであったが、一方で、赤間さんのご紹介で、グーグル、アップル、アドビで働く方にもアポイントがとれる。どなたも非常に魅力的でとてもワクワクしつつ、連絡を取らせていただく。
こうして、出発まで、あと2週間。
最初は何のつてもなく、たった1枚の紙に、「シリコンバレーに行くぞ」と書いた紙だけがあった。
これが、IDEOへの切符。
そして、新しい可能性への切符となった。
(そして実は、シリコンバレーに行くまえに、すでに、このつながりから、新しい連携プロジェクトが水面下で動き出している)
シリコンバレー渡航記は、また書きたい。もしネットがあれば、11月29日~12月6日に。
keyword:ビジネスエスノグラフィー
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