2006.05.25 アイデアの技法 アイデアの技法 シネクティクス(Synectics)シネクティクス、というこの聞きなれない言葉は、「多様性の統合」あるいは「異なった一見関係のないものを結びつける」といった意味のギリシャ語からの造語だそうです。 1950年代に、アーサー・D・リトル社が開発。・研究開発チームが革新的技術を発想するための手法について研究。・創造的な問題解決プロセスへと結実。 ▼ 1960年に技法の開発者退社。シネクティクス社(コンサルティング会社)を設立。 ▼ 以降、事業発展や企業戦略、R&D、マーケティング、新商品開発などの領域で、イノベーション創造発想手法として活用。 海外や日本の一部の企業で活用されているにもかかわらず、2006年現在、日本における創造性技法としてのシネクティクスは、2つの理由からあまり広く認知されていないようです。ひとつはシネクティクスの使い手は”広く”よりも”深く”の展開方針を採っているため普及活動があまり行われていないため。もうひとつは、創造性技法に関係する業界が、古い時代の複雑なシネクティクスを認識したままで、今日的な洗練されたシネクティクスの評価が適切になされていないため。今回、研究プロデューサ養成講座に参加して、今日的なシネクティクスの使い勝手、仕組みが大変優れていたと感じました。 さて、本題のシネクティクスですが、学会のサイトに手順がありますのでご興味があれば見てみてください。(現在のシネクティクスとは構成が多少違います) シネクティクスのポイントを3つあげるとしたら以下だと思います。 1)何をするか、と同時に、どのくらいするか、も明確にデザインされていること。 アイデア出しテーマに対して発散・収束の明確なプロセスを定義しており、プロセスごとに明確な指標を持っている。 2)高度に役割分担されたアイデアチーム構成。 ファシリテータ(プロセスに責任を持つ)、クライアント(テーマ知識とアイデア評価に責任を持つ)、スプリングボード(複数分野の専門家が交わってアイデア出し) 3)役割分担とデザインされたプロセスにより「門外漢」を効果的に活用すること。 発想者に情報が少ないこと、知らない人の自由な発案、が商品開発を効果的なものにする仕組みがある。(Too Much Information(情報過多になると、援助者が穴に落ちてしまう)状態を避ける。4つのiを常に意識する。) とても興味深い手法だと思います。アイデアプラントで行ってきたアイデア出しのマネジメントで試行錯誤で開発中だったスキームに対して大きなヒントが得られました。今後、このエッセンスを活用してみたいと思います。 « KGC。研究プロデューサ養成講座。 相手を救い上げるには、一緒に穴に落ちないこと。 »