創造思考のモデル風「面白い!+適良懸約」
人の思いつくたるは、どうなっているのか。これを学術的にも、あるいはグーグルや創造的な企業の人々への取材から実務的にも調べています。
結論からいえば、本質的には、創造思考自体は、難しい話って、特にないんです。
もちろん、難しくも説明できます。普通人が頭の中で創造的なことを考えようとすると、モデル的にはこうなります。
「初期的なアイデアを思いつく」(あ、こういうの、面白い!)
↓
「それを自分の状況にあてはめてみる」(あてはめると、どうなるかな?)
↓
「それによって状況や物事がどう良くなるか、どういう良さが生じるか、考えてみる」
(良さって、具体的にはなに?)
↓
「一方で生じるかもしれない主な懸念点への手当を考える」
(やばそうなとこ(懸念点)、考えておこう)
↓
「整理して、1つのアイデアにする」
(要約するに、アイデアとしてこういうべきかな)
モデル風に書きますと「面白い!+適良懸約」です。4字熟語風のは “てきりょうけんやく”とよむ、私の造語です。
日本の文化は「無責任なことを言わない」という良い面を持っています。その文化性は「未成熟なアイデア、口にせず」という思考を作っています。
面白い!の段階のアイデアが頭にひらめくと、ついで、適⇒良⇒懸⇒約を、直感的にやっていて、それが、「え~と、つまり・・・」とつぶやいている状態です。ステップに分けてやればそれなりにできるのですが、頭の中で同時にやるのは大変です。閃きの多くは、出されずに、却下されています。
ブレストの本質は「面白い!」段階で、アイデアとして出してもいいんだよ、ということなんです。
閃きの多くは、「適良懸約」をこえられません。特に斬新度の高いものほど、「適」がむずかしいし、それ以上に「懸」が難しいんです。だから傾向として、既存にあるものと大きく変わらないものだけが、ゴールまで通り抜けて、発案されます。
すると「アイデアを出している時、アイデアをつい否定してしまう」「小さくまとまったアイデアばかりで突飛なものが出せない」「自分の予想を超えるアイデアが出せない」「斬新なアイデアが出せない」ということが起こります。
難しい説明はここまでにしましょう。
補足:上記はPPCOとよばれるプロセスで、オズボーン系の発想プロセスを主軸に表現しました。アルトシュラーやUSI系の発想プロセスはまた違いますが、根底から違うというわけではなく、本質の姿は極めて似ています。
折を見て、次は、とにかく1人で「ブレスト」がやれるメソッドをご紹介します。