長く挑戦しつづけるために、なすべきことを分解しよう。
学習された無力感。という言葉があります。本来泳いで逃げることの出来るねずみを束縛して水に入れるとはじめはもがいて逃げようとするけれど、繰り返していくうちに水につけても逃げようしないでじっとしているようになるといいます。努力しても無駄だ、ということを学習してしまうそうです。そのねずみは、水槽の中に入れて束縛をといても、もがくこともせずにそのままぶくぶくと下に沈んでしまうそうです。
人間にもこういう性質があって「駄目だ」と思う経験を繰り返し続けると次第にあらがう気持ちや向上心が全くだせなくなってしまうことがあるそうです。挫折を経験することは人間性を豊かにする要素でもあるのですが、同じことに繰り返し挫折することで挑戦心を失ってしまうことがあったとしたらそれは残念なことです。
そこで私はいつも『長く挑戦し続ける』ための言葉を胸に指針としてもっています。それは「自分が達成したい目標に向けてなすべき仕事を、確実に消化可能な小さいサイズの仕事に分割しよう」というものです。
大きなピラミッドを登ろうとするときに、一つの段差が2m位あったらかなり一つを登るのは必死です。一段上がるのに幾度かトライしてようやく何度目かに上がれるでしょう。あがっていくと、あるところにサイズの大きな段があって2.5m。なんど飛び上がっても、手が痛むほど壁につかみかかってものりこえられない。何度も何度もチャレンジし、次第にチャレンジャーの瞳に「努力しても無駄だよ」というあきらめの色が見えてはじめます。最後には、その壁の下で朝起きてもう壁を登る気力が全くなくなってしまったことに気が付きます。
で、こうしたことがないように、消化可能な小さい仕事に分けよう、と考えるのです。段差50センチの石段なら、大変だけど確実に上がれる。2mをあがるために4つの仕事をしなければならない。だけれども、確実にあがれる。2.5mの壁だった、5つの仕事をすれば上がれる。小さいけれども確実に前進している・努力が報われているという感覚が常に持てるように心がけています。
長く挑戦するために、理想までの道程を小さく分解し、身の丈に合ったチャレンジを続けていくような生き方をしてこう、私はそう強く思います。