Entrepreneurial Marketing
レオナルド・ローディッシュ他(訳:笠原英一氏)がベンチャーに特化したマーケティングの本を書かれています。『アントレプレヌーリアル・マーケティング』(つまり、起業家的マーケティング)日本語訳ではすこし砕けたタイトルで『成功した起業家が毎日考えていること』という名前で中経出版ンから出版されています。
この中には、どの章にも学びになることが多いのですが、現在の私の支援業務で特に役に立った部分が以下のものでした。おのおのは他の教科書などでも書かれていますが、それを端的にまとめている点でとても良い本だと思います。(そのまとめているのは原著には無い、訳者笠原氏によるものです。)
会社を起こす前にまず考えること
[独自能力]
自分の会社ならではの強み
↓
[ポジショニング]
提供価値(1軸・2軸)のポジショニングマップ上で
自社の位置を決めることで顧客に提供する価値を明確にする。
↓
[セグメンテーション・ターゲッティング]
顧客市場を属性によってグループに分け、
自社が狙うグループを決める
↓
[事業コンセプト]
「誰に」「どのような価値を」提供するのか
(出展:同書p15、一部抜粋・加工)
本には、図も2つ付いていてそれが理解を促進します。私がMOTの大学院生をしていたある時期に「アントレプレヌーリアル・マーケティング」に興味を持ってそれについて書かれた本を探したのですが、和書では数えるほどしかありませんでした。ベンチャーが”初期の顧客獲得”にとても苦しむというのは前職での経験でも、あるいは研究者として日々接する生の声・書物からもよく見聞きしていてその辺をどうクリアするか、という問題意識があったためです。このレオナルド・ローディッシュ氏の本には、すぐに利用しやすい考え方がとてもよくつまっています。『コンセプトテスト』についてのくだりも、とても勉強になりました。